英検二次試験 新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応について
私は英検1級の一次試験には一発で合格することができました。そのときの勉強法は、以下の記事に詳しく書いています。

しかし、その後に受けた二次試験の面接では見事に撃沈しました。
英検1級の一次試験に合格すると、そこから1年間は一次試験が免除されます。試験の申込時に一次試験免除申請をすれば、二次試験から受けることができます。
英検は1年間に3回実施されるので、一次試験が合格した回を含み、最大で4回は二次試験を受けられると思われます。※重要なのでご自身で確認をお願いします。
参考 一次試験免除についてよくある質問英検公式サイトそのため、私は残り3回は一次試験なしに二次試験を受けることができたのですが、それ以降は受けませんでした。なぜなら、初めての二次試験があまりにボロボロ過ぎてトラウマになったことと、英語以外の勉強に本気で取り組むようになったからです。
この記事では、なぜ私が英検1級の二次試験に合格できなかったのか分析を行い、どうすれば合格できるのか対策や勉強法を紹介しています。
勉強時間の不足
まず、二次試験に落ちた大きな要因は、勉強時間が圧倒的に不足していたことです。
二次試験は一次試験のおよそ1ヶ月後に実施されます。
しかし、一次試験の合格発表はおよそ2週間後なので、一次試験の合格が分かってから二次試験の勉強を始めたのでは、1週間から2週間程しか勉強時間がないのです。
私はとりあえず二次試験のことは何も考えず、一次試験に合格することを最優先に勉強していました。そのため、二次試験の勉強はそれまで全くしておらず、一次試験の合格発表後に始めました。
私のように海外に行ったことも外国人と話した経験もない場合、わずか2週間の勉強で合格できるほど英検1級の面接は甘くはありません。英検準1級の面接よりもずっと難しいと思います。
私がやった勉強は、一次試験の英作文と同様に、回答に使える定型のフレーズをいくつか覚えて、それらを組み合わせてスピーチできるように練習するというものでした。
しかし、実際に二次試験を経験して分かったことは、定型のフレーズをいくつか暗記しただけでは到底英検1級の二次試験には合格できないということです。
面接官が話している内容を聞き取ることは特に問題ありませんでした。英検1級の一次試験に合格するまでに相当リスニングの勉強をしていましたし、面接官は標準的なスピードで話してくれました。問題となるのはスピーキングです。
英検1級の二次試験は、まず最初に特定のテーマについて2分間のスピーチを行った後、そのスピーチについて面接官から質疑応答(Q&A)があります。
最初の2分間のスピーチは、あくまで自分の意見を一方的に話すだけなので、定型のフレーズを組み合わせて何とか話すことはできるかもしれません。
しかし、質疑応答はそうはいきません。面接官から聞かれた質問の意図を即座に理解し、それ対して臨機応援に回答しなければならないのです。双方向のコミュニケーションである以上、定型のフレーズを組み合わせて会話する方法では違和感や限界があります。
英検1級の二次試験に一発で合格するには、一次試験の合格発表後に勉強を始めるのでは遅すぎます。一次試験が始める前から二次試験の勉強を並行して行う必要があるのです。
それも、短期留学や英会話学校などに通ったり、それが厳しければスカイプやSNSを使って外国人とコミュニケーションを取ることで、定型のフレーズだけに頼らずに自分の意見を話せるようにしておく必要があります。
そう考えると、一次試験合格直後の一回目の二次試験で合格することはやはり厳しいです。一回目は勉強のつもりで気楽に受けて、そこから二回目、三回目に向けてしっかりと対策する方が良いかもしれません。
- 一次試験に合格してから二次試験の勉強を始めても遅い
- 定型のフレーズをいくつか覚えるだけ乗り越えられるほど簡単な試験ではない。しっかりと勉強時間を確保して対策を行う
知識の不足
英検1級の二次試験では、どのような問題が出題されるかご存じでしょうか?
英検の公式サイトに掲載されている過去の出題例は以下の通りです。
・科学の発展は常に有益か
・芸術への財政的支援増加の是非
・世界経済における日本の役割
・選挙権の行使を義務化するべきか
・遺伝子組み換え食品の安全性
・公共の場における治安改善の必要性
ここで私が言いたいことは、「これらのトピックを突然提示されて、日本語でスピーチができますか?」ということです。
当たり前のことですが、日本語でスピーチができなければ、英語でスピーチすることはできません。しかし、英語の勉強にばかり目が行ってしまい、そもそも日本語で意見を言えるのかという疑問を抱かない人がいます。
面接では、5つのトピックが書かれた「トピックカード」から一つを選び、スピーチを始めるまでの時間はわずか1分です。その間、メモを取ることもできず、二人の面接官を前に緊張しながら考えなくてはいけません。仮に日本語でのやり取りだとして、スピーチや質疑応答ができるでしょうか?
私は平凡な学生だったので、これらのトピックに対して全くと言っていいほど知識を持っておらず、日本語ですら意見が言える状態ではありませんでした。
しかし、当時の私はそのことに気がつがず、二次試験対策としてやった勉強は英語のフレーズを覚えて話すことだけでした。
それでは、根拠が乏しく、論理性に欠けた支離滅裂な英語になって当然です。その結果、本番の試験では、私がスピーチを終えた後に面接官から怪訝な顔をされてしまいました。
この失敗から考えられることは、まずは日本語で意見が言えるようになることです。そのためには、普段から本やニュース、インターネットを使って幅広い分野の知識を学んでいく必要があります。
短期間で知識を吸収するためには、英検1級の二次試験ではどのような分野のトピックが出題されるのか把握します。過去問をある程度見れば、科学、経済、社会、歴史など、どのような話題が多いか何となく分かります。
それが分かったら、各分野の基礎知識だけでも学びます。深くまで勉強しようと思ったらキリがありません。基礎知識をベースに自分の意見を足して、論理的なスピーチができるように練習しましょう。
また、公務員試験などの時事問題の本も二次試験には適していると思います。私は公務員試験の勉強を本気でしていた経験がありますが、公務員試験の時事問題の教材は、各分野の中から近年話題なったことをコンパクトにまとめてあります。
- 日本語でスピーチができなければ、英語でスピーチすることはできない
- 過去問題から二次試験で出題されるトピックの分野を把握し、それに対する基礎知識を学ぶ
- 基礎知識に自分の意見を足して、論理的なスピーチができるように練習する
外国人と会話した経験の不足
私が英検1級の二次試験に落ちた理由の一つに、外国人と会話した経験が不足していたことが挙げられます。
私が外国人と会話した経験は、中学・高校の授業で数回だけでした。それも、一対一で話すのではなく、全員で一人の先生と話すだけです。
このように、海外に出たことがなく、英会話学校にも通ったことがない私のような学生にとって、外国人と話す機会は全くありませんでした。
人生で初めてに近いくらい外国人と会話するので、試験本番ではかなり緊張しました。「相手が話している内容を聞き取れるかな?」「こちらが話した内容を理解してもらえるかな?」といった不安が頭の中に渦巻いていました。
その結果、本番ではトピックについて冷静に考えることも、自信を持って自分の意見を言うこともできませんでした。
そう考えると、やはり外国人と会話した経験は多い方が良いです。私のように外国人と会話した経験がほとんどない状態では、合格することは相当難しいと思います。
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- 外国人と会話した経験がほとんどない状態では、合格することは相当難しい
- 語学留学やオンライン英会話などを上手く活用してスピーキング力を上達させる
発音練習の不足
英検の公式サイトによると、英検1級の二次試験の採点は主に以下の観点で行われます。
- スピーチ・質疑応答の内容
- 語彙
- 文法
- 発音
この中で見落としがちなのが「発音」です。
英語の発音は、学校の授業でほとんど教えてくれません。自分で英語の勉強をするときにも、発音の勉強に時間を割いたことがある人は少ないと思います。
日本人は「L」や「R」など英語の発音が下手と言われることがあります。また、日本人は恥ずかしがってネイティブの発音にあえて近づけようとせずに話す人もいます。
しかし、発音が採点基準に含まれているとなると、対策しないわけにはいきません。
発音の勉強の第一歩としておすすめの教材が「リスニングパワー」です。
この教材は、カタカナ英語とネイティブ英語の発音の違いをネイティブ講師から学ぶことができます。カタカナ英語を止めるだけで、面接官の印象は格段に良くなるはずです。
ネイティブ英語の発音について学習したら、その通りに発音できるように話す練習を繰り返し行いましょう。
- 二次試験の採点には「発音」の観点が含まれる
- ネイティブ英語の発音を学び、その通りに話せるように練習をする
度胸の不足
私が二次試験で不合格になった理由の最後は、度胸が足りていなかったことです。
私が受けた二次試験では、男性外国人と女性日本人の二人が面接官でした。2対1というだけでこちらは委縮してしまいます。
それに加え、スピーチの後の質疑応答では、スピーチに対する鋭い質問が投げられます。こちらが的外れな回答をすれば、容赦なく追加で質問されます。
私の場合、自分が回答した後に外国人の面接官に「何言っているんだ、こいつ」といった感じで怪訝な顔をされ、そこから落ち着いて話すことができませんでした。正直、その時点でもう合格することをあきらめていました。
だからこそ、多少自分の意見が上手く言えなくても、堂々としている度胸が必要です。過度に慌てたり、緊張していれば、本来の力を発揮できません。
性格の問題もあるので改善は簡単ではないと思いますが、たった10分間の面接です。一次試験の免除期間は1年間ありますし、仮に失敗してもまた受ければ良いのです。
私のようにならないためにも、リラックスして二次試験にのぞむことが大切です。
- 二次試験では堂々と会話する度胸も大切
- 事前に対策をしっかりと行うことはもちろんですが、本番では「失敗してもまた次回受ければいいや」くらいのリラックスした気持ちで面接にのぞむ
まとめ
英検1級の二次試験は簡単ではありません。私は英検準1級の二次試験では特に苦労もせずに一発で合格しましたが、英検1級では歯が立ちませんでした。
私もそうでしたが、英検の二次試験は一次試験と比較して簡単に思われている気がします。一次試験は何ヶ月、何年間も勉強をして試験を受けるのに、二次試験では1ヶ月やそこらの勉強で受かると思っている人が多いのではないでしょうか?
英検1級の一次試験に受かる人の多くは海外に滞在した経験があって、スピーキングに問題はないのかもしれません。
しかし、私のように海外に行ったことがなく、外国人と会話した経験がない人にとって、英検1級の二次試験は一次試験と同様に大きなハードルになります。
十分な時間を取って勉強を行い、本番では堂々と自信を持って話すことが大切です。