一般的に、TOEICのリーディングパートの中でPart5とPart6は文法問題と呼ばれています。
この2つのパートは合計で46問となり、リーディングパートのおよそ半分を占めるので、正しい勉強法でしっかりと対策することが大切です。
この記事では、私がTOEICで920点を取ったときに行った文法問題の勉強法を紹介します。
1. TOEIC文法問題の誤解
前提知識として、TOEICの文法問題にありがちな誤解を紹介します。
1.1. 文法問題は少ない
Part5とPart6の中で純粋な英文法の知識を問われている問題はあまり多くなく、その大部分は語彙問題に過ぎません。
例えば、TOEICの公式サイトに掲載されている下記のサンプル問題を見てください。
(A)When
(B)It
(C)There
(D)As it
答えは「(C)There」になるのですが、この問題が解けるか否かは、「There is no better ~」という表現を知っているかが影響します。
いちいち動詞がどうとか、比較級がどうとか考える必要はありません。ただ表現を知っていれば解くことができます。
1.2. 文法問題は中学レベル
もちろん、純粋な文法問題も中にはあります。しかし、それらは中学レベルの知識で解けるものがほとんどです。
例えば、高校生になると関係代名詞や仮定法など難解な文法を習いますが、TOEICではそのような問題をあまり見かけません。私は高校の英語の授業に全くついていけず、テストの点数は50点前後の劣等生でしたが、それでもTOEICでは920点を取れました。
つまり、TOEICのPart5とPart6を攻略するために、高校や大学で習うような専門的な文法の知識は不要なのです。
2. TOEIC文法問題の勉強方法
それでは、どのように勉強を進めていったら良いか、ここでは私が実践した勉強方法を紹介します。
2.1. 文法問題の勉強を始めるタイミング
まず、どのタイミングでPart5とPart6の勉強を開始すれば良いのでしょうか?
それは、英単語の勉強が完了した後で、Part7の勉強を始める前です。
先ほど説明したように、Part5とPart6の大部分は語彙問題なので、英単語を覚えていないと問題は解けません。
そのため、英語が苦手な状態からいきなり文法問題の勉強を始めてしまうと、全く正答することができません。その結果、「英文法の勉強を一からやらなくては!」と焦って間違った勉強に進んでしまう危険性があります。
だからこそ、英単語を一通り覚え終わったタイミングでPart5とPart6の勉強を始めていくのです。
2.2. 文法問題の勉強方法
次に、TOEICで900点を取るために私が実践した文法問題の勉強方法を紹介します。
まず、やっていはいけない勉強方法が、分厚い文法書を使うことです。
例えば、英文法の知識について網羅的に書かれており、全部で何百ページもあるような教材です。
英語の授業や大学受験で合格するためには、こういった教材で勉強することは一定の効果があります。しかし、TOEICで高得点を取るために、このような文法書で勉強していたら、膨大な勉強時間がかかります。
単純に英語学習が目的の人や、勉強時間に余裕があってそれを続ける忍耐力がある人は別ですが、最短で900点を取りたい人はもっと効率の良い勉強法があります。
私が使用した教材は「1日1分! TOEIC L&Rテスト 炎の千本ノック!」です。
この本は、TOEIC業界では有名な中村澄子さんが書いています。中村澄子さんは「すみれ塾」と呼ばれるTOEIC講座を開講しており、いつも満員となっている人気講師です。
この本の魅力は、タイトルに「1日1分」とあるように、すいすい勉強できることです。本の構成と解説が秀逸で、想像を超えるスピードで解き進められます。
しかも、TOEICの出題傾向を分析しつくしている講師が作っているので、掲載されている問題は良問ばかりです。
私が使った感覚としては、2時間~3時間で1冊解き終わり、解けなかった問題を暗記する時間を含めても3日程で1冊終わると思います。
もちろん、1冊だけでは足りないので、最新のものから順に最低3冊は勉強することが必要です。ただし、それでも1週間程度あれば全て勉強できるでしょうから、とても短時間で文法問題を勉強できます。
また、最近は便利なスマホアプリも充実しています。例えば、「スタディサプリ」というTOEIC専門のアプリには、単語や文法問題などが数多く収録されています。
通学や通勤の移動中、書籍を使った勉強に飽きたときなどに、このようなスマホアプリを使って補完的に勉強するのがおすすめです。
2.3. 模擬試験を解いて足りない知識を吸収
書籍やアプリを使って一通り文法問題の勉強が終わったら、後はTOEICの公式問題集や模擬試験を解いて、分からない問題があったらその都度覚えていきます。
そうすることで、自分の苦手な分野の文法問題だけを効率よく覚えられます。
私がTOEICの文法問題の対策として行ったことをまとめると、以下の3点に集約できます。
- 「1日1分! TOEIC 千本ノック」を3冊以上解いて覚える
- TOEICの公式問題集を解き、分からない問題を覚える
- TOEICの公式問題集以外の模擬試験を解き、分からない問題を覚える
この3点だけで十分にTOEICの問題は攻略できました。決して分厚い文法書で勉強してはいけません。
3. TOEIC文法問題の解き方
TOEICのPart5とPart6は全部で46問あります。そのため、一つの問題につき1分で解いたとしても合計で46分かかってしまうのです。
リーディングパートは75分間の解答時間しかないので、文法問題だけで46分も使っては最後まで解けません。最後まで解けなければ、900点を超えることは厳しいです。

そのため、普段の勉強から瞬時に解答が導き出せるくらいまで単語や文法の知識を身につけておく必要があります。
長い時間かけてやっと意味を思い出せるようでは意味がありません。
それでも本番ではどうしても分からない問題が出題されてしまうものです。私が920点を取ったときも分からない問題はいくつかありました。
そのようなときは、とりあえずこれかなと思うものを勘で薄くマークしておくと良いでしょう。何もマークせず、最後に時間があったら解こうと思っていると、マークする時間さえ足りないことがあります。
そこで、薄くマークしておき、最後まで解き終わってもまだ時間が余っているようであれば、再度深く考えて、解答が間違っていると思えば修正すれば良いのです。
4. まとめ
TOEICは学校の授業や大学受験と異なり、英文法の知識を重点的に問う試験ではありません。そのため、TOEICの文法問題を攻略するために必要な勉強は多くはないです。
それを誤解してしまうと間違った勉強方法に進んでしまい、最短で900点を取ることが難しくなります。