TOEICで900点を取得した私がディクテーションをやらなかった理由

私は初めて受けたTOEICで920点を取得しました。勉強を始めた当初は英語が苦手だったので、リスニングに関してもかなり時間をかけて勉強しました。

ディクテーションは有名なリスニング学習法の一つです。しかし、私はディクテーションをほとんどやりませんでした。

この記事では、私がディクテーションをやらなかった理由や、ディクテーションの代わりの勉強法などを紹介しています。

1. ディクテーションとは

ディクテーションとは、聞こえた英語の音声を一言一句文字に書き起こすリスニング学習法です。

まずは、紙と筆記用具、そして数秒から30秒程の英語の音声を用意します。そうしたら、英語の音声を一度聞きながら、聞き取った英語を一言一句紙に書き取っていきます。紙ではなく、パソコンのメモ帳などにタイピングしても良いかと思います。

それが終わったら、文字で書かれた英語のスクリプトを確認して、どの英単語が聞き取れなかったのか把握します。

ディクテーションは、本来は通訳者が行っていたリスニング学習法の一つです。それが一般の英語学習者に広まり、今やリスニングの学習法と言えば必ずディクテーションが挙がります。

2. ディクテーションの効果

ディクテーションにより、以下のようなリスニング力アップの効果があります。

2.1. リスニングができない原因を把握できる

ディクテーションをすると、なぜリスニングができないのか把握できます。

私たちが英語の音声を聞いても意味が分からない原因は、いくつか考えられます。

  • 英単語を知らない
  • 英単語は知っているが発音を知らない
  • 音声が早くて理解が追い付かない
  • 音が消失している(リエゾン)
  • 英文法を知らない
  • 単純に聞いていなかった(集中力の欠如)

実際には、上記の原因が複数重なって英語の意味が分からなくなります。

ディクテーションをすることにより、何が原因で英語の意味が分からないのか分析できます。特に、英単語のつながりによって音が消失する「リエゾン」の苦手を知るときに効果的です。

例えば、「Did you」という英語を紙に書き起こせなかった場合、「ディドゥ ユー」ではなく、「ディジュー」となることを知らないかもしれません。

聞き取ることが苦手な英語が分かったら、その音声を繰り返し聞いて、最終的には聞き取れるようにします。

2.2. 英文推測力がつく

ディクテーションは、英文推測力を高める練習にもなります。

TOEICのリスニングパートに出てくる英語の音声を一言一句正確に聞き取ることは、いくら英語が得意な人であっても難しいです。試験本番では、聞き取れない英単語が必ず出てくるはずです。

そんなとき、前後の英単語や文脈、英文法の知識で補完することによって、聞き取れなかった英単語を推測することが「英文推測力」です。

例えば、「You have to consider all the possibilities」という英文があったときに、「consider」という英単語が聞き取れなかったと仮定します。

「have to」は「~しなければならない」という義務を表す英文法であり、「all the possibilities」が「全ての可能性」という英単語の知識があれば、何となく聞き取れなかった「consider」が「考える」ではないかと推測できます。

ディクテーションを行う際に、聞き取れなかった英単語を推測する習慣をつけることで、このような英文推測力を磨くことができます。

3. TOEICの勉強でディクテーションは不要

これまでディクテーションの効果について紹介してきましたが、私はTOEICで900点を取るためにディクテーションをやりませんでした。もちろん、試してはみたのですが、すぐに止めてしまいました。これから、その理由を説明します。

3.1. ディクテーションは上級者向け

まず、私が実際にやってみた感想では、ディクテーションは英語初心者が気楽に出来るような簡単な学習法ではありません

英語初心者が軽い気持ちでディクテーションを始めてしまうと、リスニング能力が上がらずに、勉強時間が無駄になる可能性があります。

ディクテーションが難しいところは教材探しです。

ディクテーションに使用する教材の中に知らない英単語が多い場合、当然ながら書き起こせない音声が増えてきます。そうすると、もはやそれはリスニングの勉強ではなく、英単語の勉強になります。

そのため、英単語は知っているけれど、音のつながりや消失が含まれているような「丁度良い」教材を見つけてくる必要があるのですが、それは簡単ではないでしょう。

3.2. 一言一句聞き取る必要はない

そもそも、TOEICにおいて全ての英単語を聞き取る必要はありません。聞き取れない英単語がいくつかあったとしても、設問に対する解答さえ分かれば十分なのです。

実際に、私がTOEICで900点を取得したときは、リスニングパートで聞き取れない英単語は少なくありませんでした。しかし、設問の内容を正しく理解し、その答えとなる箇所のみを集中して聞けば正解できます。

むしろ、ディクテーションの勉強ばかりすると、一つ一つの英単語を聞き取ることに集中してしまう癖がつく可能性があります。いくら英単語が全て聞き取れても、英文の意味が瞬時に理解できなければ何の意味もありません。

英単語を聞き取ることではなく、英文の意味を理解することに集中すべきです。

3.3. 成果が出るまでに時間がかかる

ディクテーションがリスニング力を上げるかと聞かれれば、迷わず「はい」と答えるでしょう。しかし、TOEICで900点を取るために最短の学習法かと聞かれれば「いいえ」と答えると思います。

まず、ディクテーションの効果の一つ目である「リスニングができない原因を把握できる」ですが、音声が聞き取れないパターンは無数に存在します。

英単語の発音に関して言えば、英単語の数だけパターンがありますし、音のつながりや消失については、連続する単語の組み合わせによって多くのパターンが考えられます。

一回のディクテーションで学ぶことが出来るパターンは、おそらく一つや二つ程度のはずです。そのため、ディクテーションが効果を上げるには、長い時間をかけて学習する必要があるのです。

次に、「英文推測力がつく」ですが、こちらはさらに難しいでしょう。推測できる条件として、前後の英単語の意味がほとんど全て分かり、英文法の知識がなくてはいけません。

リーディングならまだしも、リスニング中に聞き取れない英単語があったときに、頭の中で瞬時に推測することは難しいでしょう。きっと推測している間に次の音声が流れてしまい、結局全体の意味が分からなくなる可能性が高いです。

そのため、ディクテーションで使うレベルの短い英文では推測が出来たとしても、本番の長い音声で推測が出来るまでには相当な練習が必要だと思います。

4. ディクテーションに代わるリスニング学習法

私がディクテーションの代わりに行ったリスニング学習法は「シャドーイング」です。

やり方は非常に簡単です。ある程度の長さの英語を聞いた後に、聞こえた英語を同じように復唱するだけです。シャドーイングと違って紙に書かず、口から発音します。

特徴は、短時間で大量の英文に触れられることです。聞き取れない英単語の細かい分析は出来なくても、音のつながりや消失などよく出るパターンの音声を何度も耳にして、それを口から発音することで慣れていきます。

また、聞き取れない英単語が多少あったとしても気にせず、どちらかと言えば英語の意味を考えながら練習を行います。

なお、シャドーイングの詳しいやり方は、以下の記事をお読みください。

TOEICで900点を取るには絶対に欠かせないシャドーイングの勉強法

5. まとめ

ディクテーションは、リスニング力を高める上で確かに効果的な学習法です。

しかし、それには自分のレベルに合った最適な教材を見つけ、長い時間をかけて学習する必要があります。自分のレベルに合っていない教材を選んでしまったり、数日間ディクテーションをやっただけでは効果はないでしょう。

個人的には、ディクテーションの代わりにシャドーイングに時間をかけて勉強しました。しかし、英語の学習法には向き不向きもあります。

まずはディクテーションを試してみて、自分にとって効果がありそうか判断することが大切だと思います。