英語資格一覧
日本で実施されている英語に関する資格試験は数多く存在します。下記の表は、その中でもある程度の知名度があるものを抜粋しています。
英検 | 小学生から社会人まで年間230万人が受験する国内最大規模の試験。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能について測定することができる。 |
国連英検 | 国連普及活動の一環として実施されている試験。特徴は、試験内容が世界平和、地球環境、世界情勢、国際時事問題など、国連の活動に沿ったグローバルな内容であること。 |
ケンブリッジ英検 | 1858年にイギリスの名門であるケンブリッジ大学によって設立された試験。日本では知名度が低いが、英語を母国語としない受験者を対象とした英語検定の中では最も長い歴史があり、ヨーロッパを中心に圧倒的な権威がある。 |
工業英検 | 工業英語に特化した試験。特徴は、試験内容が「ビーカー」や「電子」、「コンピュータ」など、科学技術に関する内容であること。名前に「英検」とついているが一般的な英検より知名度が格段に下がるため、資格を対外的にアピールするという意味ではあまり役に立たない。受験する目的としては、翻訳者が技術系の翻訳力を高めるために勉強していることが多い。 |
日商ビジネス英語検定試験 | 日本商工会議所が開催する試験で、英語のビジネス文書の作成、海外取引に関する実務的な内容などの理解力を測定する。パソコンを使用してテストを受験することができる。 |
TOEIC | 世界150か国以上で実施されている試験。他の試験とは異なり、合否ではなく10点から990点までのスコアで評価される。日本だけではなく、海外でもTOEICのスコアが重視されている。 |
TOEFL | 世界130か国以上で実施されており、英語圏の大学や大学院に留学する際に利用される試験。試験問題は、TOEICを制作しているETSが作成している。 |
通訳案内士試験 | 外国観光客相手に観光ガイドをする能力を測定する試験。通訳案内士法により、通訳案内士試験に合格することなく、外国語を用いて観光ガイドすることは禁止されているため、一部の人にとっては必須となる資格。英語以外にも、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語などから選ぶことができる。 |
それぞれ、試験内容や試験を受験するメリット、難易度などが異なるため、自分がどの試験を受験する必要があるのか、きちんと調べてから勉強を始めることが大切です。
TOEIC vs 英検 vs TOEFL
上記で説明した英語の試験の中から、私が問題を解いたことがあるTOEIC、英検、TOEFLについて様々な観点から比較を行ってきます。
難易度ランキング
まずは、どれが最も難しい資格であるか、難易度の比較を行います。
- TOEFL
- 英検
- TOEIC
比較する基準として、TOEFLは100点、英検は1級、TOEICは900点を目安にしています。
個人的には、TOEFLが最も難しいと思います。TOEFLで100点と言えば、海外のトップクラスの大学へ入学できるレベルです。私はTOEICで920点を取り、英検1級の一次試験に合格した後にTOEFLの問題を解いてみましたが、相当難しいと感じました。
加えて、ライティングとスピーキングがリーディング、リスニングと同じ配点で出題されますから、海外経験がない場合はかなり苦戦すると思います。やはり、海外のトップクラスの授業についていくためには、これくらいの英語力が必要なのでしょう。
ちなみに、ハーバードやオックスフォードに留学する場合、TOEFLで110点近くのスコアを取る必要があり、ほとんどノーミスで正解しなくてはなりません。
次に難しいのは英検1級です。私はTOEICで920点を取得してから3か月の勉強を経て、英検1級の一次試験に合格しました。それだけTOEICの900点と英検1級には難易度に差があるのです。また、TOEFLと同様、英検1級の二次試験は英検準1級の二次試験とは大きく異なり、普通に英語で会話できるレベルがないと合格は難しいです。
一番簡単なのが、TOEICで900点を取ることです。TOEICの英文は比較的易しいものです。そのため、間違えずに最後まで解くことが出来れば、海外経験がなくても900点を取ることは十分可能です。さらに、ライティングとスピーキングがないことも難易度を下げています。
有用度ランキング
次は、どれが最も役に立つ資格であるか、有用度の比較を行います。
- TOEIC
- TOEFL
- 英検
資格が役に立つか否かは、資格を取得する人の立場によって変わってくるため、あくまで私なりの意見になります。
まず、最も有用な資格はTOEICです。このブログでも何度か書いていますように、TOEICで900点を持っていると就職で圧倒的有利になります。私は3流大学のしがない大学生でしたが、超就職氷河期に10社近くから内定をもらえました。実際にTOEICで900点を持って就活をした経験がないと分からないかもしれませんが、それだけTOEICの影響度は大きいです。
また、入社してから新入社員にTOEICを受験させる企業も多く、TOEICのスコアが企業の意思決定に何らかの影響を与えていることは確かです。
次に有用な資格はTOEFLです。何と言っても海外の大学に留学するためにはTOEFLで高いスコアを取らなければなりません。そのため、留学を考えている人にとっては最も必要となる資格です。
最下位は英検です。英検のメリットは、高校や大学への進学に有利になったり、大学で単位認定されることです。逆に言えば、それくらいしか役に立ちません。英検1級の合格者は通訳案内士試験の一次試験が免除されますが、通訳案内士を目指していなければ意味がありません。
おすすめ度ランキング
最後に、どの資格を最も受けるべきか、おすすめ度の比較を行います。
- TOEIC
- TOEFL
- 英検
今受けるべき最もおすすめの資格は、やはりTOEICです。
英文の難易度が低く、英語学習の初心者でも取っ付きやすいです。また、TOEICは英検と異なってスコア制なので、頑張った分だけ成長がスコアとして表れます。そのため、モチベーションが維持しやすく、英語の勉強が続きやすいです。それでいて、就活では大きな武器になるのですから、いいことずくめです。
次におすすめはTOEFLです。留学を目指している人が受験するのは当たり前ですが、そうでない人もTOEFLの勉強をすることでライティングとスピーキングを含めた総合的な英語力を高めていくことができます。ただし、TOEFLは難易度が非常に高いので、TOEICや英検で英語の勉強をある程度終えた後の次のステップとして勉強を始めると良いでしょう。
最後に、あまりおすすめできないのが英検です。英検準1級までは、受ける価値は十分あるでしょう。しかし、英検1級は難易度が非常に高い割に、TOEICと違ってメリットがあまりありません。私のように英語学習の目安として受験するなら良いですが、就活や留学ではあまり役に立たないので注意が必要です。
まとめ
英語の資格試験には多くの種類が存在しており、それぞれ試験の難易度も合格したときのメリットも異なってきます。そのため、勉強を始める前に資格試験は慎重に選ぶ必要があります。「1000時間勉強して合格したけど何の意味もなかった」と後悔してからでは遅いのです。
将来自分が何をしたいのか考え、どの試験を受験することが今の自分に最も効果的なのかしっかり悩みましょう。それが済んだら、後は合格に向けて一直線に勉強するだけです。