リスニングとリーディングはどちらが簡単か
TOEICで900点を目指すには、リスニングとリーディングのスコアの取りやすさを知り、それに応じて自分なりの目標スコアを設定する必要があります。
TOEICの平均点の偏り
知らない人が多いですが、リスニングとリーディングはスコアの取りやすさに偏りがあります。
TOEICの公式サイトには、スコアの平均点が公開されています。それを見ると、記載時点の最新のテストでリスニングパートは約334点、リーディングパートは約278点となっており、およそ50点の差があります。
つまり、同じ勉強量でもリスニングパートはリーディングパートより50点ほど高いスコアが取れると推測されます。
TOEICの目標スコアの設定
リスニングパートがリーディングパートよりスコアを取ることが簡単である以上、目標スコアも変わってきます。
例えば、TOEICで900点を目指す場合の目標スコアは以下の通りです。
- リーディング 425点
- リスニング 475点
このベースとなる目標スコアに対して、個人ごとに多少の調整をしていきます。例えば私の場合はリスニングが苦手だったので、リーディング440点、リスニング460点くらいを目標スコアにしていました。
やってはいけない目標設定は、リーディングとリスニングのスコアを同じにしてしまうことです。
先ほど説明したように、TOEICはリスニングパートの方が簡単にスコアを取れます。そのため、リーディングパートで450点を取るために必要な勉強量より、リスニングパートで450点を取るために必要な勉強量は少なくなります。
リスニングパートの目標スコアを高くすることで、全体の勉強時間を短縮することができるのです。
リスニングとリーディングはどちらを先に勉強すべきか
目標スコアを設定したら、それに向けて勉強を開始します。その際に重要になるのが、リスニングとリーディングのどちらを先に勉強するかです。
リスニングができない理由
私もそうでしたが、リスニングに苦手意識のある方は多いと思います。その場合は、なぜリスニングの問題が解けないのか分析することが大切です。
私が考えるリスニングができない理由は以下の通りです。
①英単語を聞き取れない
単純に音を聞きもらしてしまったり、英単語の発音がつながって意味が分からないケース
②英単語を知らない
英単語は聞き取れるけれど、聞き取った英単語の和訳を知らないケース
③スピードについていけない
ゆっくりであれば英語の意味が分かるけれど、スピードが速くて聞き取れないケース
④聞き取った内容を忘れてしまう
英語は聞き取れるが、問題を解く頃には聞き取った内容を忘れてしまうケース
その他にもいくつかあると思いますが、主な理由は上記の4つに分類されると思います。
リーディングができないとリスニングはできない
上記のリスニングができない理由で挙げた「①英単語を聞き取れない」と「④聞き取った内容を忘れてしまう」に関しては、リスニング能力に該当します。
「①英単語を聞き取れない」については、「リエゾン」と呼ばれる英単語間の音のつながりや変化を意識して聞き取りを行う能力であり、「④聞き取った内容を忘れてしまう」については、「リテンション能力」と呼ばれる英語を記憶する力にあたります。
しかし、「②英単語が分からない」と「③スピードについていけない」はリーディング能力に該当します。
リーディングでは文中に登場する英単語の意味が分かり、その英文を素早く訳していく必要があります。つまり、リスニングができるためには、上記で挙げた単語力や英文を素早く訳す能力など、ある程度のリーディング能力が必要となるのです。
リーディングを優先して勉強する
つまり、リスニングの勉強を始める前に、「②英単語が分からない」と「③スピードについていけない」に関しては先に攻略しておく必要があります。英単語の意味が分からないのにリスニングの音声を聞いても、学習効果は大幅に下がると思います。
ただし、リスニングの勉強を全くしないというのはおすすめしません。
リスニング能力は長い時間をかけて少しずつ向上していくものです。そのため、最初の内は短い時間で良いので、リスニングの勉強は毎日続けた方が良いです。
勉強時間の割合の目安としては、最初のうちはリーディング8割、リスニング2割くらいで良いと思います。
そして、リーディングでスラスラ読めるレベルまである程度到達したら、リーディング5割、リスニング5割というように比重を変えていけば良いのです。
最初からリーディング5割、リスニング5割という勉強をしても、ほとんど英会話の意味を理解できず、ただ単に英語を耳から聞き流すだけになり、勉強の効果は期待できません。
まとめ
TOEICでは、リーディングパートよりリスニングパートの方が高いスコアを取りやすくなっています。しかし、だからと言って安易にリスニングパートの勉強を優先的に始めてしまうと、なかなか聞き取れるようにはなりません。
まずは、リーディングの勉強として英単語を覚え、英文を素早く訳す能力を磨いたら、リスニングの勉強量を少しずつ増やしていけば良いのです。