TOEICで900点を取るために欠かせないシャドーイングのやり方

目次

シャドーイングとは

有名なリスニング学習法の一つに「シャドーイング」があります。

シャドーイングとは、ある程度の長さの英語を聞いた後に、同じように復唱するという方法です。耳から聞いた英語を影のように口から発音することから、このような名前がついています。

シャドーイングの効果

シャドーイングはリスニング力を高める上で非常に効果的な学習法です。TOEICで900点を目指す場合、シャドーイングは不可欠です。

私が考えるシャドーイングのメリットを挙げます。

英語の聞き取り能力が上がる
シャドーイングは耳から聞いた英語をそのまま口から発音する学習法です。そのため、そもそも英語を聞き取れなければシャドーイングはできないのです。その結果、シャドーイングをやろうと思ったら自然と英語を注意深く聞くようになり、その過程で英語の聞き取り能力を高めることができます。

英語の音声に慣れることができる
初めて会った外国人が話す英語は、たとえその英語に出てくる英単語が簡単なものであっても聞き取りにくいものです。それは、人によって話すスピードや間の取り方、イントネーションなどが全て異なるからです。逆に言えば、同じ人が話す英語を何度も聞いていれば次第に慣れていき、聞き取ることが容易になっていきます。シャドーイングを繰り返しすることにより、TOEICのリスニングパートの音声に慣れることができます。

スピーキングの練習になる
英語を話せるようになるためには、話したい日本語を英語に変換する能力が必要です。これがスピーキングの最も難しいところですが、スピーキングを構成している要素は他にも存在します。例えば、発音の仕方や口の開け方などです。シャドーイングでは聞こえた音をそっくり真似するため、スピーキングをするための口の動きを練習することができます。

シャドーイングのやり方

次に、シャドーイングをどのように実践したら良いか具体的に説明していきます。ここでは、私がTOEICで920点を取ったときに実際に行った方法をお話していきます。

教材の選び方

まず、シャドーイングで使う教材選びが意外に重要です。

シャドーイングの効果の中で「英語の音声に慣れることができる」というメリットを挙げました。しかし、TOEICのリスニングパートで流れる英語とは話すスピードや間の取り方、イントネーションが異なる教材を使っても、TOEICのリスニングには慣れることはできません。

そのため、シャドーイングに使う教材で一番おすすめするのは、やはり「TOEICの公式問題集」のリスニングパートです。公式問題集のリスニングパートはTOEICの公式ナレーターが担当しているため、本番に最も近い英語になり、シャドーイングには最適です。シャドーイングでは一定の長さの音声が必要ですから、リスニングパートの中でもPart3かPart4が良いでしょう。

シャドーイングはずっと同じ教材を使っていると効果が薄くなります。なぜなら、同じ教材を使い続けていると英語を覚えてしまうため、耳から聞き取らなくても何となく発音できてしまうからです。そうすると英語を注意深く聞き取ることが疎かになり、聞き取り能力は上がりません。

そこで、公式問題集を使ってシャドーイングを続けていき、何となく英語を覚えてきたなと感じるようになったら、別の教材を探す必要があります。しかし、その場合にもTOEICの音声により近いものが理想です。書店に販売しているTOEICの模擬試験や「スタディサプリ」というスマホアプリなどを使用すると良いでしょう。

3ステップに分けて段階的に行う

シャドーイングは幾つかの段階に分けて行います。

STEP
スクリプトを見ながらオーバーラッピング

まず最初は、英文のスクリプトを目で追いながら音声と一緒に発音していきます。この学習法は「オーバーラッピング」と呼ばれています。

いきなりスクリプトも見ずにシャドーイングを始めると、英語が苦手な人は何を言っているのか分からずに、何となく発音することになりかねません。

英文の中に知らない英単語があれば意味を調べ、オーバーラッピングをしながらその英文がどのような意味であるか大まかに把握していきます。

STEP
短めの間隔を開けてシャドーイング

次のステップは、音声の2単語から4単語くらい後に続いて復唱していきます。聞こえてきた音声のスピード、間の取り方、イントネーションをそっくりそのまま真似するイメージで声に出しましょう。

STEP
長めの間隔を開けてシャドーイング

ある程度シャドーイングに慣れてきたら、最終ステップに移ります。今度は2単語から4単語後ではなく、その間隔を少しずつ開けていきます。

TOEICのリスニングパートの正答率を高めるためには、ただ英語を聞き取れるだけでは十分ではありません。ある程度高いスコアが取れる人でもありがちなことは、ちゃんと英語を聞き取れているのに、いざ解答しようとしたときにその内容を思い出せないということです。

この聞き取った英語の内容を短期間覚えておくことを「リテンション」と呼びます。シャドーイングをするときに、音声と自分の発音の間隔を広げていくことで、リテンションの練習を同時にすることができます。

ただ声に出すのではなく、意味を考えながら行う

シャドーイングは、英語の意味を考えながらやることが重要です。リスニングパートの問題が解けるようになるには、英語を聞き取るだけでは十分ではなく、その意味が分かって問題が解けるのです。

一回の時間は20分間が目安

TOEICで900点を取ることが難しい理由は、ほとんどミスができないということです。リスニングパートは45分間ありますが、その時間中はずっと集中して英語を聞き続ける必要があります。

シャドーイングをするときにできるだけ長い時間を続けて行うと、英語の聞き取りに対する集中力も同時に高めることができます。長すぎると喉が痛くなり逆効果なので、私の経験上は最高でも30分くらいが良いと思います。

私は1回のシャドーイングで20分から30分間行っていました。

最低2か月は継続して行う

英語の聞き取り能力は残念ながら短期間で向上するものでありません。ある程度の期間を継続して続けた結果、やっと聞き取れるようになります。

TOEICで900点を取るためには、シャドーイングも最低2か月は行う必要があるでしょう。私はTOEICで900点を取る前に3か月間くらいは続けていました。

まとめ

私はTOEICのリスニングパートの勉強方法として、シャドーイングに最も力を入れました。もちろん、シャドーイングだけでは不十分ですが、シャドーイングなしにTOEICで900点を取ることは、英語初心者には厳しいと思います。

シャドーイングは聞いた英語を声に出すという、一見簡単な学習法に思えますが、ステップを分けてやったり、意味を考えながらやったりと、実際は奥が深いものです。

ここに書いた内容はあくまで私が実践したシャドーイングの勉強法ですので、これらを参考に自分に合った独自のシャドーイング方法を見つけていくと良いでしょう。

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