あなたはやっていませんか?本当は怖い多読による英語学習

私は初めて受けたTOEICで920点を取得しました。

そのときに様々な勉強法を試しましたが、一般的に広く知られる多読による英語学習が意外に難しいと感じました。

ただ単純に大量の英文を読んでいれば、自然とTOEICのスコアが上がるなんて考えてはいけません。

多読は非常に時間がかかる勉強法です。そのため、間違ったやり方をしている場合、貴重な時間が無駄になります。

この記事では、多読が難しい理由や多読の効果などを紹介しています。

1. 多読の効果

まず、多読の効果を考えたことがあるでしょうか?

英語の勉強をするときは、どのような効果があるのか考えてから行うことが大切です。

効果を知らないと、間違った勉強をしていても気がつかず、せっかく頑張って勉強したのに上達しないといった結果になりかねません。

私が考える多読の主な効果は、以下の3つです。

① 英語を読むリズムを覚える
英語を速く読めるようになるには、3段階のステップがあります。

  1. 英文を主語、目的語、述語という順序で訳していく状態。
  2. 英文を先頭から訳していく状態。
  3. 英文の意味をイメージできる状態。

この3つのステップを具体的に説明していきます。

英語を速く読む3ステップ

まず、上記の例文に対して、「if you」まで訳した後に「have」を飛ばして「any questions」を見つけて読む状態が第1ステップです。この読み方だと英文を何度も前後することになるため、非常に時間がかかります。

次に、「if you」まで訳した後に、そのまま「have」と「any questions」を読む状態が第2ステップです。この読み方は、第1ステップと違って英文を前後しないため、より速く訳すことが可能です。

そして、「if you have any questions」を英語のまま意味がイメージできる状態が第3ステップです。第2ステップと違って英単語を一つずつ訳さず、英文全体でその意味をイメージします。これが最も速く訳せます。

多読を行うことで、第1ステップから第2、第3ステップへと英文を読むリズムを変える練習ができます。

② 英文を読むスピードが上がる
①に付随する効果ですが、第3ステップの訳し方ができるようになると、英文を読む速度を上げることが可能です。

また、英文を大量に読んでいると、同じような英単語やフレーズを何度も見かけることでしょう。そうすると、2回目以降は意味を思い出すまでの時間が短くなり、英文を速く読めるようになります。

③ 英単語を覚えられる
大量の英文を読み、知らなかった英単語を覚えることができます。

2. 多読が難しい理由

多読をしているときに知らない英単語に出会ったら、その意味を調べているでしょうか?

多読は大量の英文を読むことなので、いちいち知らない英単語の意味を調べていたら読み進めることはできません。そのため、多読に慣れてくると、いつしか知らない英単語が出てきても何とも思わなくなり、そこを飛ばして読む習慣がついてしまいます。

多読で知らない英単語が出てきたときに、前後の文脈から意味を推測する練習もありますが、それは英語の初心者にとっては非常に難しいと思います。

しかし、だからと言ってその都度英単語の意味を辞書で調べれば良いかというと、そうではありません。知らない英単語の意味を調べていたら、多読の効果で説明した「英語を読むリズム」を身につけることができないのです。

流れるように大量の英文を読み進めることによって、英文を訳すリズムを叩き込むことができます。辞書で何度も調べていたらリズムをつかめず、調べる時間に手間がかかって多くの英文を読むこともできません。

つまり、多読の効果である「①英語を読むリズムを覚える」と「③英単語を覚えられる」はどちらか一方しか得ることが難しいのです。

一般的には、多読の教材として適しているのは、英単語の8割~9割を知っている教材と言われています。そのため、自分のレベルより少し下げたちょっと簡単と思えるくらいの教材が多読に合っています。

知らない英単語が多い教材を使って辞書で意味を調べていけば、英単語は覚えられても英語を読むリズムは身につきません。逆に、簡単な教材を使って多読を行えば、英語を読むリズムは覚えられても英単語を覚えることはできません。

個人的な意見では、多読の効果は「①英語を読むリズムを覚える」を優先すべきです。

なぜなら、TOEICに関していえば基本的にはビジネス英語に限定されており、覚えなくてはいけない英単語の数はそれほど多くありません。単語帳や公式問題集などを使ってきちんと対策をすれば知らない英単語に出会う頻度は少なく、わざわざ多読をして語彙力を上げる必要はないからです。

3. どのように多読をすべきか

多読の教材として洋書が紹介されることがあります。しかし、そのような洋書に出てくる英単語やフレーズはTOEICに出てくるものとは全く異なります。

そのため、TOEICのスコアを上げたいならTOEICに関連する教材、英検に合格したいなら英検に関連する教材で多読を行うのが効果的です。

そして、英語を読むリズムを身につけるにはある程度は単語を知っている必要があるので、多読を始める時期は英単語の勉強が一通り完了した後が良いでしょう。

TOEICの英文は正直あまり面白い内容とは言えないので、多読することは苦痛です。その場合は、下記のようなビジネス関連の教材を多読すれば良いでしょう。

普段の勉強の気晴らしに、たまに洋書を読むことは全く問題ありません。私も実際にやっていました。

しかし、TOEICのスコアを上げるために、TOEICとは関係のない教材で多読をすることは危険です。

4. まとめ

正しく英語学習法の効果を認識していない場合、いつの間にか誤った勉強方法になっていることはよくあります。

特に多読の場合、多くの英文や本を読み終えること自体が目的になってしまいます。

しかし、これまで説明したように、多読の効果を最大限発揮するためには、多読を行う時期や多読で使う教材に注意する必要があるのです。

何も考えずに多読に時間をかけても、思うように効果を得られない危険性があります。