TOEIC IPテストは公式スコアとして就職活動で使用できるか?

企業や学校などが団体でTOEICを受験させる場合、大きく2種類の方法が存在します。それは、「公開テスト団体一括受験申込」と「団体特別受験制度」です。

公開テスト団体一括受験申込とは、通常のTOEICの試験を団体が一括で申し込むもので、個人で受験するものと変わりません。一方で、団体特別受験制度は「TOEIC IPテスト」と呼ばれ、個人で受験するTOEICとは異なる点があります。

この記事では、TOEIC IPテストが通常のTOEICとは異なる点や、就職活動でTOEIC IPテストのスコアを使えるかなどについて紹介します。

なお、私がTOEICで920点を取得した勉強法を別の記事で紹介しているので、そちらも参考にしてください。

【徹底解説】私が実践したTOEICで900点を取るための勉強法

1. TOEICとTOEIC IPテストの違い

まずは、TOEICとTOEIC IPテストの違いについて紹介します。

1.1. 運営者が異なる

TOEICとTOEIC IPテストでは試験を運営する人が違います。

TOEICはTOEICの運営委員会によって開催されます。一方、TOEIC IPテストは、企業や学校などが試験の運営を行います。

まず最初に、企業や学校などがTOEIC IPテストの実施を申し込みます。申し込みが行われると、TOEICの問題が送付されるので、それを使って企業や学校が任意の日時・会場で試験を開催します。

TOEICの場合、TOEICの運営委員会によって正しいマニュアル通りに試験が実施されますが、TOEIC IPの場合、企業や学校の運営方法によっては完全にマニュアル通りではないケースもあるようです。

インターネットで調べてみると、試験中に試験官がいなくなったり、試験時間が間違っていたりと、ミスもあるようです。

1.2. 問題の作り方が異なる

TOEICとTOEIC IPテストでは問題の作り方に差異があります。

TOEICの場合、問題の素案作成⇒テストアセンブル⇒レビュー⇒センシティビティレビューという行程を経て、試験ごとに毎回新たな問題が作成されます。

一方、TOEIC IPテストは過去に出題されたTOEICの中からどれか一つが抽出されて、その過去問が丸々出題されます。

そのため、過去に解いたことがある問題が奇跡的に出題される確率がゼロとは言えません。しかし、長年に渡って膨大な数のTOEICを受けている人以外はありえないでしょう。

1.3. 開催場所・開催回数が異なる

TOEICとTOEIC IPテストでは試験の開催場所・回数に差異があります。

TOEICは年に10回、指定された都市・会場で開催されます。一方でTOEIC IPテストの場合、企業や学校が申し込めば開催できるので、様々な時期や場所で試験が開催されます。

TOEIC IPテストを受験できる会場としては、大学、企業、資格教室、語学スクールなどがあります。基本的にはその団体に加入している人が対象ですが、もしかしたら問い合わせをして確認すれば、一般の人でも受験できる可能性があります。

ちなみに、大学生の場合には大学生協でTOEIC IPテストを受験できます。

1.4. 受験料が異なる

TOEICとTOEIC IPテストでは試験の受験料に差異があります。

TOEIC IPテストの場合、運営が企業や学校に任されているのと試験が過去問であるため、企業や学校がTOEICの運営会社に支払う一人当たりの受験料は、通常のTOEICよりも約2000円安いです。

TOEIC IPテストを受験する個人が支払う受験料は様々です。企業で強制的に受験させられる場合には無料のこともあるでしょうし、大学の場合は3600円とか4200円とか学生の負担を減らして割り引いているケースもあるようです。

いずれにしても、個人で通常のTOEICを受けるよりは料金が安くなるはずです。

TOEICの受験料は、テスト制作費や人件費などの高騰によって2020年の4月から値上がりします。学生にとっては簡単に支払える金額ではないので、TOEIC IPテストも上手に活用してみてください。

1.5. テスト結果の確認方法が異なる

TOEICとTOEIC IPテストでは試験結果の確認方法に差異があります。

TOEICの場合、写真や署名が入ったTOEICの「公式認定証」が送られます。一方、TOEIC IPテストの場合、公式認定証の代わりに「スコアレポート」が送られます。もちろん、スコアレポートでも、リスニングとリーディングのパートごとのスコアは分かります。

また、TOEICの場合は試験日から30日程で試験結果が発送されますが、TOEIC IPテストの場合は1週間程で試験結果が発送されます。

2. TOEIC IPテストは簡単か?

TOEIC IPテストは簡単という意見があります。それは本当でしょうか?

TOEICは以前より難化しています。その理由は色々と言われていますが、例えばTOEIC対策の教材やセミナーが多く販売されるようになり、受験者全体の正答率が高くなったことが考えられます。

特に、韓国におけるTOEIC事情は日本とは少し異なります。韓国では15歳~29歳の若年層の就職率が年々低下しており、就職するために死にもの狂いで就活に臨みます。

サムスンを始めとする一部のグローバル企業がGDPの大部分を占めており、そのような企業に就職するためには英語力が必須条件になります。事実、サムスンの新入社員のTOEICスコアは900点とも言われています。

こういった事情から、TOEICに対するモチベーションが異常に高いです。昔のニュースでは、携帯電話でTOEICの問題の画像を撮影し、その答えを共犯者に教えてもらうという集団カンニング事件が発生するほどです。

モチベーションの高さに比例して、TOEICの平均スコアは日本と比較して100点近く高いです。その結果、受験者の正答率が上がり、それに合わせて問題の難しさも多少スライドさせていると思われます。

TOEIC IPテストは以前の過去問が出題されるので、難化した現在のTOEICと比較すると簡単に思えるわけです。そうは言っても、そんなに差があるとは思えないので、「簡単そうだから」という理由でTOEIC IPテストを受けるのは止めた方が良いと思います。

補足
ちなみに私の場合は、通常のTOEICを受けたときは920点で、その後に受けたTOEIC IPテストは895点でした。ただし、TOEIC IPテストを受けるまでは、英語の勉強をしばらく離れていたので、結果的にはスコアにそれほど差異は見られませんでした。

3. TOEIC IPテストは公式スコアとして使えるか?

これまで、TOEICとTOEIC IPテストには様々な差異があることを説明してきました。それでは、TOEIC IPテストは公式スコアとして使用できるのでしょうか?

TOEICの公式サイトには、その答えに関連する内容が書かれています。

TOEICのスコアは進学や就職に利用できますか?

提出先独自の規定を設けている場合があるため、スコアを活用する際には提出先へご確認ください。

参考:よくある質問

スコアレポートも公式認定証と同様に履歴書に書くことができるのか?

できます。ただし、提出先独自の指標を設けている場合があるため、スコアを活用する際には提出先へのご確認をお勧めします。

参考:よくある質問

この他に、以前のTOEICの公式サイトには「どちらのテストを受験してもスコアの有効性に違いはありません」という文言が明確に書かれていましたが、現在はなくなっているようです。(記載時点では、TOEIC SWやTOEIC Bridgeにはこの文言が残っています)

まず、何をもって公式スコアとみなすかですが、公式認定証があることを公式スコアとみなすのであれば、もちろんTOEIC IPテストは公式ではありません。

そのため、就職活動で受ける企業が公式認定証の提出を求めていたり、TOEIC IPテストは認めないと明確に書かれているのであれば、TOEIC IPテストは使えないことになります。

しかし、TOEICの公式サイトに「TOEIC IPテストのスコアは履歴書に書ける」とあるように、基本的にはTOEIC IPテストは就職活動でも問題なく使用できると思います。不安であれば、就職活動先の企業に確認してください。