TOEICとTOEIC IPテストの違い
法人や学校などが団体でTOEICを受験させたい場合、その方法には大きく2種類存在します。それは、「公開テスト団体一括受験申込」と「団体特別受験制度」です。
公開テスト団体一括受験申込とは、通常のTOEIC試験を団体の人数分一括で申し込むもので、個人で受験するものと変わりません。一方で、団体特別受験制度はTOEIC IPテストと呼ばれ、個人で受験するTOEICとは異なる点があります。
まずは、TOEICとTOEIC IPテストの違いについてご説明します。
運営者が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験を運営する人が違います。
TOEICはETSの主催によりTOEICの運営委員会によって開催されます。一方、TOEIC IPテストは、法人や学校などがETSに対してTOEICの試験を開催したいという申し込みによって始まります。
申し込みが行われると法人や学校にはTOEICの問題が送付され、それを使って法人や学校側が試験の開催、運営までを実施するのです。
上記の違いにより、TOEICはTOEICの運営委員会によって正しいマニュアル通り試験が実施されますが、TOEIC IPの場合、法人や学校側の運営方法によっては完全にマニュアル通りではないケースもあるようです。インターネットで調べてみると、試験中に試験官がいなくなたったり、試験時間が間違っていたりと、よくない噂もあるようです。
問題の作り方が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは問題の作り方に差異があります。
TOEICの場合、問題の素案作成→テストアセンブル→レビュー→センシティビティレビューという行程を経て、試験ごとに毎回新たな問題が作成されます。
一方、TOEIC IPテストは過去に出題されたTOEICの中からどれか一つが抽出され、その問題が丸々出題されます。つまり過去問ということです。
そのため、奇跡的に過去に解いたことがある問題が出題される確率がゼロとは言えませんが、膨大な数の試験が開催されていますから、長年に渡って膨大な数のTOEICを受け続けている超人以外はありえないでしょう。
開催場所・開催回数が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験の開催場所・回数に差異があります。
TOEICは年に10回、指定された都市・会場で開催されます。一方でTOEIC IPの場合、法人や学校側が申し込めば開催できますので、法人や学校側が開催していれば様々な時期に色々な場所で試験を受験できます。
TOEIC IPを受験できる会場としては、資格教室や語学スクール、大学などがありますので、問い合わせをして確認すれば一般の人でも受験できる可能性があります。大学生の場合には大学生協でTOEIC IPを受験することができます。
受験料が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験の受験料に差異があります。
TOEIC IPの場合、運営が法人や学校側に任されているのと試験が過去問であるため、受験料が安くなっています。
テスト結果の確認方法が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験結果の確認方法に差異があります。
TOEICの場合、成績一覧表の他に、写真と署名が入ったTOEIC公式認定証が送られます。一方、TOEIC IPの場合は成績一覧表のみ送られ、TOEIC公式認定証はもらえません。
また、TOEICの場合は試験日から30日程で試験結果が発表されますが、TOEIC IPの場合は1週間程で試験結果が発表されます。そのため、早く結果を確認したい人はTOEIC IPを受けると良いでしょう。
TOEIC IPは公式スコアとして使えるか
これまでTOEICとTOEIC IPには様々な差異があることを述べましたが、TOEIC IPは公式スコアとして使用できるのでしょうか?
その答えは、Yesです。
まず、何を公式スコアとみなすかですが、TOEIC公式認定証があることを公式スコアとみなすのであれば、もちろんTOEIC IPは公式ではありません。
しかし、就職活動や昇進、大学の成績等で使用できるかという意味では、TOEIC IPでも問題ないと思います。
TOEICの公式サイトを見ても、「どちらのテストを受験してもスコアの有効性に違いはありません。」という文言が明確に書かれています。
なので、TOEIC IPは認めないと明確に書かれている場合やTOEIC公式認定証の送付が必要な場合などを除き、一般的にはTOEIC IPも公式スコアとして使用できるはずです。不安な場合は確認してみてください。
受験料も安いので、試験慣れするためにも積極的に活用すると良いでしょう。