始めに
私は大学生のときに本気で英語の勉強を行い、その結果初めて受けたTOEICで920点を取得しました。しかも、高額な塾に通うこともなく、独自の学習法で目標を達成しました。つまり、私のような英語初心者の凡人でも、TOEICで900点は取れるのです。そこで今回は、その時に行った勉強方法についてまとめてみましたので、参考にして頂けたら嬉しいです。
まず、TOEICでハイスコアを目指すことを考えた時に何が必要になるでしょうか?現在、英語に苦手意識があり、TOEICのスコアが400点とか500点にも満たない場合、900点なんて夢のまた夢で、何をしたら良いか想像もつかないという人もいると思います。そこで、ハイスコアを取るために必要なことは何か、まず最初に整理してみましょう。私の個人的な考えでは、以下の3点が重要になると思います。
- 正しい勉強法を知る
- 効果的な英語教材を知る
- モチベーションを高く、学習を続ける
現状、英語が苦手な人は、上記3点をしっかりと頭に叩き込みましょう。このように、TOEICで900点を取るために自分が何をするべきか整理することが出来てしまえば、後はそれを粛々と実行していくだけです。今回の記事では、これら3点に関連する情報を余すことなく紹介していますので、是非今後の勉強に活かしてみてください。
私が実践した勉強スケジュール
TOEICの勉強を始めるにあたり、まず最初に知ってほしいのは、今後どのようなスケジュールで勉強をしていくかということです。「いつか900点が取れればいいや」という考えは捨ててください。きちんと時期を設定して、それに向かって本気で勉強することが大切です。
時期を決めずにだらだらと勉強していると、「まだ時間はあるし、今日は勉強をさぼろう」という甘い考えが、いつか必ず生まれます。そうして、半年、1年が経過していき、いつの間にか仕事や学業が忙しくなって英語の勉強に取り組める時間がなくなり、最終的にはTOEICで900点を取ることができなくなります。
そこで、私がTOEICで900点を目指す際に提案する勉強期間は、3ヵ月間です。「たったそれだけ!?」と感じる人もいるかもしれませんが、不可能ではありません。事実、私は3ヵ月程度の勉強期間で920点を取得することができました。また、目標期間を短く設定しておけば、仮に3か月後に受けたTOEICの試験で900点が取れなかったとしても、半年以内には達成できる可能性は高いです。短い目標期間をあえて設定して、密度の高い勉強をすることが大切です。
そこで、まず最初に、短期間で目標を達成させるための勉強スケジュールを作成します。突然言われても難しいと思うので、私が実際に3ヶ月間でTOEIC900点を取得したときの勉強スケジュールを公開します。現在の英語のレベルが私と同じであるとは限りませんので、皆様の英語レベルに応じて多少期間を前後して頂ければ良いかと思います。
ちなみに、私が勉強を始めたときの英語のスペックは、こんな感じです。
- 3流大学生
- 理系
- 英検2級合格
- TOEIC受験経験なし
- 海外経験なし
- 日常的に英語を使う機会なし
英検準1級の勉強
私はTOEICの勉強を始める前に、英検準1級の勉強を行い、そして合格しました。仮にあなたがTOEICで900点を取ることが目的であっても、いきなりTOEICの勉強を始めることはおすすめしません。
なぜ英検の勉強を行うか
私がTOEICの勉強より英検の勉強を先に行った理由についてお話します。
- TOEICの教材は、ビジネス英単語しか掲載されていなかったり、TOEIC独自のテクニックに関する話が中心であり、英語の文章を読む、聞くといった基礎的な英語力を鍛えにくい。一方で英検の場合、幅広い分野の英語が出題され、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能全ての能力を成長させることができる。
- TOEICの文章や会話はビジネス英語であり、学生時代の授業や受験英語では触れたことがないものである。そのため、英語が苦手な人がいきなり始めると最初からつまずく危険性がある。一方で英検の場合、中学、高校生のときに受験したことがある人が多く、親しみやすい。
そのため、いきなりTOEICの勉強を始めるのではなく、最初に英検の勉強をすることをおすすめします。私も最初に英検の勉強を行い、それに合格したことで、自信と勢いを持ってTOEICの勉強を始めることができました。
また、英検の中でも英検準1級がおすすめです。英検準1級を持っている人のTOEICのスコアは平均730点と言われていますから、難易度的には丁度良いはずです。
勉強する期間としては1ヶ月半くらいにしてください。 勉強する時間に余裕がある人や英検に合格することが目的である人は別として、TOEICで900点を取ることが目標であるならそこまで時間をかける必要はないです。1ヶ月半程勉強した後に受験してみて、不合格でもとりあえず英検の勉強はやめるというスタンスが良いと思います。
英検で学ぶこと、TOEICで学ぶこと
私はTOEICで920点を取得する前に、英語の勉強を3か月程行っています。その内の最初の1か月半近くは英検の勉強をしていますから、およそ半分の時間を英検の勉強に費やしていることになります。
つまり、TOEICで900点を取るために必要なことの半分は英検の勉強で学ぶことができるのです。そう考えるとTOEICの教材を使って勉強すべきことは限られてきます。私が考えるTOEICの教材を使って勉強すべきことは以下の通りです。
・ビジネス英単語を覚える
ビジネスシーンだけで使われるような英単語はTOEICの教材で勉強する必要があります。特に、同じ英単語でもビジネスシーンだと違った意味で使われる単語には注意する必要があります。
・ビジネス文章、会話に慣れる
ビジネスシーンで使われる英語の文章や会話の内容は慣れが必要です。ビジネス英語は中学から高校までの6年間の英語の授業で触れたことがないものです。そのため、TOEICの教材を使ってビジネス英語に慣れる必要があります。
・TOEIC特有の問題形式に慣れる
TOEICは問題形式に慣れることがとても重要です。TOEIC公式サイトの調査結果によると、英語圏に1年~2年滞在していた人でも平均スコアは700程度しかありません。なぜなら、TOEICは資格試験であるため、純粋な英語力だけでは不十分で、いかに試験に慣れているかという要素が大きく占めるからです。そこで、公式問題集を始めとするTOEICの問題を何度も解き、TOEIC特有の問題形式に抵抗感なくスラスラ問題を解けるレベルにする必要があります。
・TOEICで900点を取得するための時間配分を覚える
TOEICで900点を取るためには、最後まで解き終えることが大前提になります。全ての問題の正解が分かっても最後まで解き終える時間が足りなければ900点を取ることは難しいです。そのため、最後まで解き終えるための時間配分を知り、本番でもそのスピードで解けるように時間配分を覚えなくてはなりません。
TOEICについて最低限知っておくべきこと
英検の勉強を行い、基礎的な英語力を習得したら、いよいよTOEICの勉強を始めていきます。まず最初にすることはTOEICについて知ることです。TOEICではどのような問題が出題され、解答時間はどれくらいあるのかといったことを知らないでTOEICの勉強を始めることはできません。
私が考えるこれだけは絶対に知っておいた方が良いと思うことを挙げてみます。
- TOEICの問題形式
- TOEICの試験日程
また、TOEICの勉強を本格的に始める前に、TOEICにおける合格テクニックを知っておくと良いです。そうすることで、どこに力点を置いてTOEICの勉強をすれば良いか理解することができるため、効率的に勉強時間を使うことができます。
インターネット上や書店にはテクニックを紹介している英語教材が沢山ありますし、当ブログのように無料で勉強法を公開しているサイトもあります。色々な人の意見を聞くことは大切なので、自分なりに興味を持った教材を試してみて、テクニックについてもある程度は勉強しておきましょう。
TOEICの勉強を始める前のスコアを知る
TOEICの基礎知識について学び終わったら、現在の英語力で自分がどの程度のスコアを取ることができるのか把握する必要があります。それによって、今後勉強を進めていくためのスケジュールを修正することができます。
さらに、自分が勉強を始めたときからどの程度スコアが上がったか把握することは、これから先勉強のモチベーションを維持するために不可欠です。勉強を始めて1か月経過したときに、最初のスコアより大きくアップしていれば誰でも嬉しいもので、勉強のモチベーションも上がります。どの程度スコアが上がったか把握するためには、勉強を始める前のスコアが分からないと比較できませんので、まず最初に現時点でどれくらいのスコアが取れるのか試すのです。
TOEICのスコアを知る方法
TOEICのスコアを知る方法には主に3種類存在します。
①TOEIC公開テストを受験する
②TOEIC IPを受験する
③市販のTOEICの模擬試験を解く
それぞれにメリットとデメリットが存在します。「①TOEIC公開テストを受験する」が最も正確なスコアを算出できますが、試験日程が限られており、受験料も高いです。一方で「②TOEIC IPを受験する」に関しては、資格教室や語学スクール、大学などにおいて、TOEIC公開テストより頻繁に試験を実施している可能性があり、受験料も1,500円近く安く済みます。但し、出題される問題は完全に過去問であり、試験を運営する団体もTOEIC運営委員会ではなく、一般的な法人や大学スタッフになります。
最後の「③市販のTOEICの模擬試験を解く」が最も簡単な方法です。現在、TOEICに関する書籍は数多く出版されています。その中に、本番の試験と近い問題を集めた模擬試験があります。1冊2,000円くらいで3~5回分の模擬試験を収録していることが多いので、1回分の模擬試験を1,000円以下に抑えることができます。
この3つの中で私が実施した方法は「③市販のTOEICの模擬試験を解く」でした。その理由は、一番手っ取り早くできるからです。また、あくまで現在の自分の実力を知ることが目的ですので、厳密にTOEIC公開テストを受験しなくても良いと思ったからです。但し、正確なスコアを算出したいのであればきちんとTOEIC公開テストを受験すべきでしょう。時間とやる気に応じて好きな方法を選べば良いです。
市販のTOEICの模擬試験を解く場合は、TOEICの公式教材である「新公式問題集」を使うのは止めましょう。あくまで、現時点のスコアを知るためですから、ここで新公式問題集を使ってしまうのは非常に勿体ないです。
模擬試験を解いて今後の勉強スケジュールを計画する
市販の模擬試験を購入したら、早速解く準備を始めます。
まず、問題形式について知らない状態で模擬試験を解いても正確なスコアが出ませんので、初めてTOEICの問題を解く場合は少し問題を眺めてみると良いでしょう。TOEICの問題形式について正しく理解できたら、早速解き始めます。きちんと時間を測り、本番と同様に連続で2時間しっかりと解きます。そして、解き終わったらスコアを算出します。
模擬試験には、正解した問題数に応じてスコアを算出できる換算表がついていますので、正解した問題数をかぞえ、リスニング、リーディングのスコアをそれぞれ算出してください。
これが、現時点のあなたの実力です。海外への留学経験がある人や英語に自信がある人は除いて、おそらく900点にはほど遠いスコアになっていると思います。でも安心してください。私も最初は相当低い点数でしたが、最終的には920点を取れました。
現時点のスコアによって、今後の勉強時間が変わります。目安としては、現時点で既に700点〜800点を取れているのであれば、残り2か月程度勉強を頑張れば900点を取れる可能性は十分にあります。逆にそれより低い人は、2か月以上勉強が必要ということですね。
今後、TOEICで900点を取るために自分がどれくらい勉強をする必要があるかしっかり認識してください。
英単語の勉強
現時点におけるTOEICのスコアを把握したら、早速勉強を始めていきます。
TOEICの勉強の中で一番最初にすることは、英単語を覚えることです。
英単語の意味が分からなければ、文法問題を解くことも、長文問題を読むことも、英会話を聞き取ることもできません。だからこそ、英単語を覚えることが最も先決なのです。もし英単語の勉強を後回しにすると、その他の勉強全てに挫折する可能性があります。
いきなり、長文問題を解き始めたり、TOEICのテクニックなどは覚える必要はありません。まずは英単語をできるだけ多く覚えていきます。
英検の教材を使う
但し、いきなりTOEICの英単語集は使用しません。
TOEIC専用の英単語集は、文字通りTOEICに関する単語のみ収録しています。英語の勉強を始めたばかりの人は、TOEICに関する単語を知る以前に、ビジネスに関係のない通常の英単語すら知らない可能性があります。そんな状態でTOEIC専用の英単語集を使ってもTOEICの問題は解けるようになりません。
そこで、オススメするのが英検の教材を使うことです。TOEICで900点を目標としている人の目安としては、英検準1級までの英単語は基本的に全て覚えて下さい。(既に覚え終わっている方は不要です)
英検準1級レベルの英単語を全て覚え終わったら、市販されているTOEICに関する単語集をどれか1冊覚えれば単語は十分でしょう。後は模擬試験を解いているうちに出てきた知らない英単語を随時覚えておけばよいです。
TOEICはビジネス英語に関する試験ですので、出題される単語もビジネス独特の使い方があります。そのため、必ず1冊はTOEICの単語集を使いましょう。
英単語はカードを使って一気に覚える
まだ英検準1級を持っていないという人は、今から相当な数の英単語を覚える必要があります。
英検2級合格に必要な語彙数が4,000単語、英検準1級合格に必要な語彙数が7,000単語程ですから、現在英検2級を持っている人は英検の単語だけで約3,000単語覚えないといけません。こんなに覚えられないと思うかもしれませんが、オススメの暗記法があります。
それは、英単語カードを使って覚える方法です。
「なんだ誰でも知っている方法じゃないか!」と思うかもしれませんが、ポイントがあります。
- 表面に英語、裏面に日本語を書いたシンプルなカードを作る。
- 毎日少しずつ覚えるのではなく、1時間で100単語〜200単語を一気に覚える。
よく英単語カードに例文や関連単語など色々な情報載せているケースがありますがおすすめしません。なぜなら、例文などなくても英単語は覚えられますし、例文を書いている時間があるなら英単語を覚えるための時間に費やしたほうが効率的です。また、カードに例文や関連単語が記載されていると目に入る情報量が多くなり、肝心の英単語の意味がなかなか覚えられません。
また、毎日10単語程少しずつ覚えていくという暗記法はオススメしません。この方法だと3,000単語覚えるために最短で300日必要です。そこまで絶対に挫折せずに勉強を続けられる強い意志があれば問題ありませんが、そんな未来のことは誰も保証できません。将来仕事が忙しくなったり、子供ができたりするなど、勉強できる環境がなくなっているかもしれないのです。
英単語カードを作成し、一度に100単語程を一気に覚えていきます。
この方法で私は1日に1時間ほどの勉強で100単語〜200単語暗記していました。なので、1か月もあれば3,000単語覚えられるはずです。最初に紹介した私の学習スケジュールでは、この段階では英検準1級の英単語を覚え終わっていますので、TOEIC専用の英単語を1週間から2週間位で全て覚えれば良いです。英単語の暗記は地味で単調な作業ですが、ここで手を抜くとTOEICで900点を取ることは困難になります。時には息抜きをしながら頑張ってみてください。
文法問題の勉強
語彙力がある程度ついたら、次はリーディング編のPart5とPart6に向けた英文法の勉強を行います。
私が実践している勉強の指針は、簡単なものから難しいものに移っていくことです。なぜなら、いきなり難易度が高い問題を解いても、意味が分からずにやみくもに解くことになり、モチベーションが低下したり、勉強の効果が薄くなるからです。
リーディング編の中では、Part7の長文問題に書かれている英文より、Part5とPart6の英文の方が読むのが簡単ですから、先にPart5とPart6の勉強を行うのです。
また、文法問題を先に勉強するもう一つの理由として、文法問題の教材を解く過程でTOEICに頻出する英単語を勉強できるからです。そのため、文法問題の勉強をしながら、TOEICで頻出する英単語についても学び、ここで学んだ英単語が後でPart7の長文問題を解くときに活きてきます。
先の話になりますが、Part5とPart6の勉強が終わったら、リーディング編のラストであるPart7の勉強をしていきます。その段階になれば、語彙力が十分身についており、文法問題も解けるようになっていますので、Part7の長文も比較的容易に読めるようになっているはずです。
文法問題の勉強方法
Part5とPart6は、Part7の長文問題と比較して勉強がしやすいパートです。なぜなら、これらのパートは以前出題された問題と比較的似たような問題が出題されるため、よく出る問題のパターンを暗記してしまえば点数を取りやすいからです。
書店には文法問題の頻出パターンを研究した教材が多く販売されています。その中から自分が合うと思う教材を選んで、それを使けば良いでしょう。
あとは「スタディサプリ」というスマホアプリもおすすめです。TOEICのスコアを本気で上げたければ試してみてください。
スタディサプリ ENGLISH基本的には、この段階で行うPart5とPart6の勉強はこれだけです。
同じ勉強方法を同じ時期に続けていても徐々に飽きて効果が薄くなるため、残りは模擬試験を解く段階に入ったら、解けなかったPart5とPart6の問題を覚えることで文法問題の勉強をしていきます。
長文問題の勉強
英単語と英文法の勉強が完了したら、次はPart7の長文問題の勉強に入ります。この段階に入ったときには、既にTOEICの英単語にかなり触れているはずですので、長文問題の英文を読むことに抵抗がなくなっているはずです。
第一ステップは精読できること
まず目標とすることは、ゆっくりで良いのでパッセージや設問の意味が分かるようになることです。
勿論、最終的には時間内に全ての問題を解かないとTOEICで900点は取れませんので、時間内に解き終える能力を身につける必要はありますが、ゆっくり時間をかけて読めなくては速く解くことは絶対にできません。
なので、まずは速く解く練習をするのではなく、時間を意識せずにきちんと英文の意味を理解しながら精読する勉強を行います。
使用する教材としては、模擬試験以外で問題数が多いものが良いでしょう。分からない単語や文法があれば、その都度辞書を使って調べながら沢山の英文に触れましょう。
ちなみに、私は分からない単語があったら電子辞書を使って英単語の意味を調べつつ、発音やその単語を使った英文等も調べていました。
精読がある程度できるようになったら、少しずつ速く解けるように練習していきます。そして、最終的には時間内で全問解けるように勉強を行います。
このようにして、Part7対策の本を2冊~3冊程、1週間~2週間くらいを目安に勉強していきましょう。短期間で集中して勉強し、長文問題を解けるようになってください。
リスニングの勉強
長文問題の勉強を始める頃くらいから、リスニングの勉強を並行して始めます。特に日本人はリスニングに慣れていない人が多いのでしっかり対策する必要があります。
リスニングよりリーディングを先に勉強する理由
ご存じの方がいるかもしれませんが、TOEICの平均点にはリーディングパートとリスニングパートで偏りがあります。
そのため、簡単にスコアが上がるリスニングパートを先に勉強すべきだという意見があります。しかし、TOEICで900点を取ることが目標であるならば、逆にリーディングパートを先に勉強すべきだと思います。
例えば、現在スコアが700点の人が800点を目指す場合、スコアが上がりやすいリスニングを集中的に勉強することは効果があると思います。しかし、TOEICで900点を一から取得するともなると、リーディングパートとリスニングパートの両方で高いスコアを取らなければなりません。そのため、リスニングパートだけを集中的に勉強することはできません。
また、リスニングができるためには、下記のリーディング能力が必要です。
- 英単語が分かる
- 英文を先頭から訳せる
まず、当たり前ですが、英単語が分からなければ英語がいくら聞き取れても意味を理解することはできません。また、リスニングはリーディングと異なり、英文を目で追うことができません。そのため、よく初心者にありがちな主語⇒目的語⇒述語というように英語を訳している場合はリスニング問題を解くことは困難です。
そのため、リスニングの勉強を始める前に英単語を覚え、英文を先頭から訳せるようになっておく必要があります。だからこそ、リスニングよりも、リーディングの勉強を先に行うことをおすすめします。
シャドーイングでリスニング力を鍛える
リスニング力を鍛える方法は色々ありますが、私が行った勉強法の中で最も効果があった方法は「シャドーイング」という勉強法です。シャドーイング以外にも幾つか勉強方法を試してみましたが、シャドーイングが最もリスニング力を高めることができました。
シャドーイングとは、英語を2単語から3単語程聞いてすぐに、影(シャドー)のように同じ単語を口に出す勉強法です。
使用する教材としては、まずはTOEICのものでなくても構いません。色々幅広い英文に触れると良いと思います。
シャドーイングの勉強時間としては、毎日20分から30分の時間、2か月~3か月続ければ相当聞き取れるようになるはずです。英語の聞き取り能力は期間が空くと著しく低下するため、本番まで継続することが大切です。ちなみに、シャドーイングを30分間行うことは意外にきついです。そのため、「家に帰ったらまず最初にシャドーイングを行う」といった感じで、1日の中で自分なりに時間を決めて、習慣化してしまいましょう。
英語耳を身につける
リスニングの勉強を頑張っているのになかなか聞き取れるようにならない人は、英語耳が身についていない可能性が高いです。英語耳とは、耳から聞いた英語を日本語に変換せずに聞き取る能力のことです。リスニングのスピードについていけない原因の中では英語から日本語へ変換している時間が最もロスになるため、英語耳を習得すれば圧倒的にリスニング力が上がるのです。
英語耳を身につける上で私が役に立った教材は、リスニングパワーです。
私は英検1級の勉強でもこの教材が活躍しました。大人気講師が作った超有名教材ということだけあって、教材がしっかり作りこまれています。リスニングが苦手な人は、この教材を使ってネイティブ英語の発音に慣れると良いでしょう。
リスニングパワー先読みでリスニングパートを攻略する
単純にリスニング力があるだけではTOEICで900点は取れません。海外に長く住んでいた帰国子女がTOEICで700点や800点程度しか取れなかったという話はよく聞きます。そのため、シャドーイングで純粋なリスニング力を鍛えた後は、TOEICの問題を解くためのテクニックを磨く必要があります。
リスニング編のPart1とPart2に関しては、純粋なリスニング力とある程度問題に慣れればそれ程勉強時間をかけずに8割位は取れるようになるはずです。問題となるのは、Part3とPart4です。
これらのパートは聞き取らなければならない英文の量が多いのに加え、一つのミニトークに対して3つの設問がついています。そのため、決められた時間の中で3つの設問と選択肢を素早く読み、回答をマークしなければなりません。
そこで、TOEICで900点を取るために必要となるテクニックが「設問の先読み」です。Part3とPart4は、リスニングのミニトークが流れた後、一定時間設問を解く時間があります。先読みとは、リスニングのミニトークが流れる前にあらかじめ設問を読むという手法です。
あらかじめ設問を読んでおくことで、下記のメリットがあります。
- これから流れるミニトークの概要を理解でき、ミニトークの意味をとらえやすい。
- 注意して聞かなればならない個所が事前に分かり、設問に答えやすい。
但し、先読みをできるようになるにはある程度練習する必要があります。
上記で紹介したリスニングの教材を使って先読みの練習を何度も行ってください。私もそうでしたが、最初の内はなかなかできないと思います。先読みでは、設問の英文を素早く読み取るリーディング力が必要です。なので、なかなか先読みができないという人は、素早く英文を読む練習をしてみてください。
模擬試験の勉強
TOEICの試験本番の3週間くらい前になったら、後はひたすら模擬試験を解いていきます。本番同様に時間を計って模擬試験を解くことで試験問題に慣れると共に、解けなかったパートを集中して対策することでスコアを上げていきます。
模擬試験を解く目的
模擬試験を解くことの主な目的を挙げます。
- TOEICで900点を取るためには、最後まで解き終わることが大前提である。模擬試験を時間内に解き、どれくらいのスピードで問題を解けば最後まで解くことができるか知る必要がある。
- TOEICは2時間で200問の問題を解かなければならない。英語の文章を読むことは体力を使うことであり、この時間集中して解くことに慣れる必要がある。
きちんと時間を計り、本番と同様にリスニング編とリーディング編を通して解きましょう。
模擬試験として使えるオススメの教材は、TOEICの公式問題集です、。
TOEICの公式問題集は1つの本に2回分の模擬試験が収録されており、過去のバージョンも含めれば相当な数の模擬試験を解くことができます。
これでも足りないと思えば、TOEIC公式問題集以外の市販の教材をもっと解いてください。TOEICは試験に慣れることでスコアが飛躍的に伸びます。1日1回分の模擬試験を解き、2~3週間くらいを目安に勉強しましょう。
模擬試験は解き終わったら終わりではない
模擬試験を解き終わったら、それで終わりではありません。
きちんと解けなかった問題の解説を読み、解けなかった理由を把握します。知らなかった単語や文法があれば必ず覚えてください。また、900点のスコアを目標としたときにスコアが足りていないパートがあれば、そのパートを重点的に勉強します。
さらに、解き終わった模擬試験のPart3とPart4はシャドーイングの教材として使用してください。17回分のシャドーイングを勉強すれば、TOEICの音声を聞き取る力も相当つくはずです。
市販の模擬試験で850点以上取れれば、本番の試験でも900点を取れる可能性はかなりあります。私の場合も模擬試験で900点以上取れたことは数回しかありませんでした。安定して850点以上取れるようになるまで頑張ってみてください。
試験当日にやるべきこと
模擬試験を繰り返し解き終わり、安定して模擬試験で850点を取れるレベルになれば、後は本番でその力を発揮するだけです。練習でいくら良いスコアが取れても本番で力を発揮できなければ何の意味もありません。
本番で最大限力を発揮するために、試験当日にこれだけはやった方が良いと思うことを3つ挙げます。
① 英語の聞き取りに耳を慣らす
本番前に英語の聞き取りに耳を慣らしておくことは非常に大切です。私は、試験当日の朝は20分くらいかけてシャドーイングをしていました。毎日続けていたシャドーイングをしていれば心が落ち着きますし、耳を英語に慣らすこともできます。また、会場に向かう間はipodに入れたTOEICの音声をずっと聞いていました。
② 自分に自信を持つ
本番直前になったら、自分は絶対にTOEICで900点を取れると気持ちを高ぶらせましょう。気持ちを高ぶらせることで人間の集中力は格段に高まります。決して不安がってはいけません。不安な気持ちがあると集中力は低下してしまいます。私の場合、必死に覚えた英単語カードの山を思い出しながら気持ちを高ぶらせていました。
③ 終わった問題のことは振り返らない
いくら頑張って勉強して本番に挑んでも、ちょっとしたことでミスをすることはあります。例えば、Part1が難しくて全然解けなかった、ということだってあるでしょう。重要なことは、そのな事態に陥ったときに、絶対に失敗は引きずらないということです。TOEICで900点を取るためには、一つも問題をミスしてはいけないわけではありません。幾つか間違ってもTOEICで900点は取れるのです。それなのに、解けなかったパートのことを悔やんで次のパートも解けなくなっては900点が取れなくなってしまいます。解き終わった問題のことは忘れて、気持ちを切り替えましょう。
上記の3つは非常に大切ですが、実を言うところ本番当日にできることは限られています。やはり、本番までに自分がいかに本気になって勉強をすることができたかということがTOEICで900点を取れるか否かを決定します。
試験が終わったら
TOEICの試験を終えたら、きちんと振り返りを行うことが大切です。勿論1回の受験で900点を取ることが理想ですが、思わぬ失敗をしてしまうこともあるでしょう。その場合、きちんと試験の振り返りを行い、次回の受験に向けて勉強を続けていく必要があります。
試験当日の失敗を振り返る
試験本番というのは普段勉強している環境とは異なる環境です。そのため、いつも家で勉強しているときにはしないような失敗をしてしまうことがあります。
例えば、TOEIC本番になるとリスニング音声がイヤホンではなく、スピーカーから流れてきます。その結果、家でイヤホンを使ってリスニング問題を解いているときには問題なく解けていたのに、スピーカーになった途端に上手く聞き取れなくなってしまうことがあります。
また緊張しやすい人は、模擬試験を解いているときには最後まで全て解き終わっていたのに、TOEIC本番になったら焦ってしまい、いつも模擬試験で解いているスピードより速いスピードで英文を読み進め、なかなか英文の意味が理解できず、結局何度も英文を読み返してしまうことがあるでしょう。
このような失敗というのは、TOEIC本番を受けて始めて分かることです。つまり、普段の英語の勉強では対策を行うことができないのです。
だからこそ、試験を受けた結果を受けて、自分は試験本番になるとどんなミスをしやすいかきちんと認識し、次回のTOEICに向けて対策方法を考える必要があるのです。
例えば、上記に書いた例の場合、家でリスニング問題を解くときもイヤホンではなくスピーカーで勉強するという対策ができるでしょう。また、本番になると緊張してしまう人は、TOEIC IPを受けて本番に慣れていくといった対策ができるはずです。
そのため、試験当日に自分がどんな失敗をしてしまったか、きちんと振り返りを行ったください。
スコアシートを見て振り返る
TOEICの場合は試験当日から30日程、TOEIC IPの場合は試験当日から7日程でスコアが書かれた成績表が送られてきます。
成績表が送られてきたら、スコアに一喜一憂するよりも、自分がどのパートで点数が取れていないのか詳しく分析を行うことが大切です。
まず、TOEICで900点を取ることを考えた場合、リーディングとリスニングでどちらかのスコアだけ低いのか、それとも両方とも同じ位のスコアなのか、自分のスコアバランスを知りましょう。
それが済んだら、もう少し細かく分析していきます。
どのパートのスコアが高く、どのパートのスコアが低いのか、成績表を見て自分の得意分野、苦手分野を認識しましょう。成績表の分析が済んだら、それを受けた対策をたてて勉強をしていけばよいのです。
まとめ
以上が、TOEICで900点を取るために私が実践した勉強法です。少し長くなってしまいましたが、これがリアルな勉強法ですので、参考になるポイントが一つでもあれば嬉しいです。
私と同じように、英語が苦手で海外経験がない人でもTOEICで900点を取ることは十分可能です。しかし、そのためには効果的な学習法や英語教材について知り、それを本気で実践する体力と精神力が必要です。是非、あきらめずに頑張ってくださいね。